ロタキサンなどの分子群のコンポーネントは特殊な空間的関係にあり、輪成分中の原子と軸成分中の原子の間の相互作用の結果が、非常に大きくその運動性などの特性として現れてくる。本特定研究では複合元素間に働く相互作用や協同効果を解明し、応用展開の道を拓くことを目的としているが、ロタキサンのような空間結合系は弱い相互作用を増幅できるため、元素間に働く相互作用を解明するのに極めて適した系である。本研究では、ロタキサンやカテナンといったインターロック分子を用いて遷移金属元素と高周期典型元素の間に生まれる相乗的な相互作用に的を絞ってその特性を明らかにするとともに、その結果をベースとしてロタキサン構造を鍵とする分子触媒やリニア分子モーター構築に関する応用研究を行う。
|