金属と硫黄などのカルコゲンが三次元空間に規則配列したクラスターは、ニトロゲナーゼ中心等の酵素機能を発現する中核を形成しているが、それらを精密構築する無機合成化学は未だに発展途上である。本研究では、自己集合型のクラスター構築反応を支配する要素である化学量論、立体、酸化還元過程や酸化状態に着目し、これらを制御することで高度に精密配列する革新的な方法論を開拓する。また、任意の元素組成、元素配列、三次元構造を有する新規クラスターとその複合体における、多元素相乗効果に起因する物性、反応性を系統的に解明し、特異な電子状態を持つ新機能性物質の創出、小分子活性化を図る。
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