(1) 高周期典型元素は広がりの大きなs軌道とp軌道をもち、遷移金属との間に電子的に柔軟で反応性に優れた結合を形成する。本研究では、8〜10族の遷移金属とホウ素あるいは14族〜16族の高周期典型元素間に直接的あるいは間接的な結合をもつ錯体を系統的に合成し、それらの構造と反応性に関する詳細な検討を通して元素の複合化によって現われる相乗的機能を追及する。 (2) これまでに研究の蓄積があるヒドロシリル等の触媒反応の中間体錯体あるいはその前駆錯体を精査し、高効率触媒を開発するための情報を錯体分子レベルで収集する。 (3) 低配位リン化合物であるジホスフィニデンシクロブテン配位子(DPCB-Y)と遷移金属との間に生ずる強いdπ-pπ相互作用の錯体化学的解明とその触媒反応および機能物質合成への応用に取り組む。 (4) A03班宮浦グループと共同してホウ素-遷移金属間のトランスメタル化反応について研究を行う。 (5) 重点研究テーマは以下の通りである。 (1) インターエレメント結合の触媒的活性反応の高効率化 (2) 強いdπ-pπ相互作用を利用した拡張π共役系錯体の創製と機能 (3) トランスメタル化反応の効率化
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