研究課題
本研究では、Li+に対する包接化合物の中で最も大きな錯形成力を持つCramらが合成したスフェランドが、超原子価化合物合成に有効な化合物であると期待して研究を行ったるCramらの文献の合成法は再現性が良くなく、収率も低かった(全収率は5〜9%)ので、まず新規合成法の開発を行なった。パラジウム触媒を用いてカップリングを行って、ジリチオ化して前駆体臭素化物を得た。Cramらの合成法ではこの前駆体の全収率は17〜34%であるのに対して新規合成法では63%と大きく改善することが出来た。得られた前駆体からCramらと同様の方法でスフェランドLiCl錯体を合成し、次に得られたスフェランドLiCl錯体を水とメタノールの混合溶媒中で耐圧容器を用いて150℃で5日間加熱してスフェランドを得た。有機溶媒に対する溶解性の悪さから反応に用いることが困難だったので、溶解性の向上を目指してパラ位をMe基からtert-ブチル基に変換した新規スフェランドの合成を検討した。上記新規合成法と同様の方法を用いて4-teret-ブチルフェノールから新規スフェランドLiCl錯体を5段階、全収率30%で合成した。しかし、水とメタノールの混合溶媒中150℃で5日間加熱法では、複察雑な混合物を与えただけであった。そこで溶媒を脱水したCC14に変えて反応を行うとメトキシ基の脱メチル化が進行することがわかった。条件検討した結果、無水条件下でLiCl錯体をNH4ClとCC14中でrefluxすることでメトキシ基の1つが脱メチル化したOli体が得られ、さらにそれを酸処理することで。Li+が外れ、プチル化することにより、新規スフェランドを4-tert-ブチルフェノールから7段階、全収率23%で得ることができた。
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