研究概要 |
5配位15族元素化合物は一般的に三方両錐構造であり二種類の異なる結合種(アピカル結合, エクアトリアル結合)を同一分子内に有するため, 同一の配位子を有していても配位子の結合位置の異なる位置異性体が存在する。これら位置異性体間の性質の解明は, 配位子位置の速い分子内交換反応の存在のため容易ではない。現在, 5配位三方両錐構造化合物の異性化機構はBerrypseudorotation(BPR)とturnstile rotation(TR)という二種類の機構が提唱されている。一般的には異性化はBPRで起こるとされ, TRの存在を現実に証明した例はこれまで無かった。本研究では, 新規三座配位子およびその配位子を有する5配位アンチモン化合物の合成, 構造決定, および異性体間の異性化反応について研究することを計画した。
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