• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

高周期ヘテロ元素の相乗効果を利用したラジカル反応の高次制御

研究課題

研究課題/領域番号 18064015
研究機関京都大学

研究代表者

山子 茂  京都大学, 化学研究所, 教授 (30222368)

キーワードヘテロ元素 / ラジカル反応 / リビングラジカル重合 / ジテルリド / ジスチビン / チオビスムチン / 機能性材料
研究概要

ジテルリドとジスチビンがリビングラジカル重合の助触媒として重合制御の向上に有効であったことから、さらに高い反応性が期待されるビスマス化合物にベースした助触媒の開発を行った。ジビスムチンは熱安定性が低く重合反応に利用できないことから、Bi-S結合を持つチオビスムチンに着目した。イオウ元素上に嵩高い置換基を持つチオビスムチン化合物を設計・合成して有機ビスマス化合物を用いるリビングラジカル重合の助触媒として用いたところ、これが高分子量重合体の合成制御を可能にする優れた助触媒であることを明らかにした。スチレンの重合では数平均分子量20万程度までの分子量分布の狭いポリスチレンの合成が(PDI<1.2)、さらに、アクリル酸ブチルの重合では分子量が300万程度の重合体まで狭い分子量分布(PDI<1.2)を保ったまま合成できることを明らかにした。これらの結果は、特殊な条件を用いないリビングラジカル重合系における最も分子量の高い重合体の合成制御例である。さらに、反応機構の解析により、助触媒の作用機構を明らかにした。
リビングラジカル重合のさらに高度な制御を目的とし、開始反応の高次制御についても検討を行った。その結果、光による炭素-テルル結合の直接活性化を用いることで、温和な条件下で高い重合制御を示す光リビングラジカル重合系の開発に成功した。重合制御の鍵は光照射の条件であり、短波長カットオフフィルターや減光フィルターで光量を調整することで、分子量と分子量分布とを高度に制御して重合を行うことができた。さらに、本重合系がO oCといった低温で行えることや、官能基との共存性やモノマーの汎用性が高いなど、合成的に優れた特徴を持つことを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Development of an Arylthiobismuthine Cocatalyst in Organobismuthine-Mediated Living Radical Polymerization. Applications for Synthesis of Ultrahigh Molecular Weight Polystyrenes and Polyacrylates2009

    • 著者名/発表者名
      Kayahara, E. ; Yamago, S.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 131

      ページ: 2508-2513

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Organotellurium-Mediated Controlled/Living Radical Polymerization Initiated by Direct C-Te Bond Photolysis2009

    • 著者名/発表者名
      Yamago, S. ; Ukai, Y. ; Matsumoto, A. ; Nakamura. Y.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 131

      ページ: 12100-2101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pore Formation in Poly(divinylbenzene) Networks Derived from Organotellurium-Mediated Living Radical Polymerization2009

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, J. ; Kanamori, K. ; Nakanishi, K. ; Hanada. T. ; Yamacio, S
    • 雑誌名

      Macromolecuels 42

      ページ: 1270-1277

    • 査読あり
  • [学会発表] Organotellurium Mediated Living Radical polymerization Initiated by Direct C-Te Bond Photolysis2008

    • 著者名/発表者名
      Yamago, S
    • 学会等名
      International Symposium on Advanced Green Catalysis and Materials
    • 年月日
      20081118-19

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi