研究概要 |
百個以下の原子からなる金属クラスターは, バルク金属では見られない新しい構造・物性・反応性を発現するのみならず, その機能は顕著な構成原子数依存性を示す. またこれらの金属クラスターは比表面積が高いため, 有機配位子の結合によって電荷移動やコア部分の構造変形が誘起され, 複合系全体の物性に対して相乗的な効果を及ぼすものと予想される. 本研究では, 金属多核錯体と金属ナノ粒子結晶(約2nm以上)の中間領域のナノ金属クラスターを, ヘテロ元素の配位効果を活用して選択的に合成する一般的な方法の確立を目指す. 得られた配位子保護金属クラスターの立体構造・電子構造を解明するとともに, 特異的に発現する新規の物性・反応性・触媒作用と化学組成の相関を系統的に明らかにする. 異種元素を階層的に複合化することによる多元素相乗効果を利用した新しい機能性ナノ物質の創成への指針を確立する.
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