研究課題/領域番号 |
18065003
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
唯 美津木 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 准教授 (70396810)
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研究分担者 |
佐々木 岳彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90242099)
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キーワード | 協奏機能触媒 / 固定化金属錯体 / 反応機構 / 触媒表面 / 時間分解XAFS / 選択酸化 / ルテニウム / モレキュラーインプリンティング |
研究概要 |
平成21年度は、高活性・高選択性を同時に実現する固体表面を媒体とした新しい協奏機能触媒の設計と表面での協奏触媒機能の解明を目指して、(1)固定化Ru錯体の配位子を鋳型分子とした表面モレキュラーインプリンティング触媒の設計とリモネンの位置選択的エポキシ化触媒反応制御、(2)固定化Ru錯体の不斉配位子を鋳型分子とした表面モレキュラーインプリンティング触媒の設計とケトンの不斉水素化触媒反応制御、(3)in-situ時間分解XAFS法による金属活性構造の構造速度論解明と協奏触媒機能解明を行った。 シリカ表面にジアミン配位子を有したRu単核錯体を固定化し、アルデヒドの選択酸化やアルケンのエポキシ化反応の触媒特性を明らかにし、表面で特異的に起こる触媒反応のスイッチング現象を見出し、in-situ構造解析や理論計算により、表面を媒体とした新たな協奏機能触媒を見出した。更にこの固定化Ru錯体にリモネンの末端C=C結合の位置選択的エポキシ化のためのインプリント空間を作成し、分子内位置選択的エポキシ化に有効な表面モレキュラーインプリンティングRu触媒の創製に成功した。不斉水素化反応のモレキュラーインプリンティング触媒の開発にも成功し、表面モレキュラーインプリンティングRu触媒の構造を明らかにするとともに、その触媒活性・形状選択性を解明した。更に、in-situ時間分解XAFS法を用い、選択酸化反応に高い活性を示す酸化物触媒の選択酸化反応機構と触媒構造の速度論を解明し、表面を媒体とした協奏触媒機能を見出した。
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