研究概要 |
(1)パラジウム-コバルト二核錯体によるアジリジン誘導体と一酸化炭素の共重合反応 パラジウム-コバルト二核錯体L_2RPd-Co(CO)_4を触媒として、炭素上および窒素上に置換基を有するアジリジン誘導体と一酸化炭素の共重合反応を行った。また、パラジウム上の配位子(L_2,R)の本反応における活性や選択性に与える影響を検討した。また、パラジウム-コバルト二核錯体L_2RPd-Co(CO)_4とアジリジン類の当量反応を行うことにより、本共重合反応の知見を得た。その結果、本触媒反応は、L_2RPd-Co(CO)_4とアジリジン類との反応によるパラジウム-コバルト結合のイオン的な切断によるイオン性錯体[PdR(NHCH_2CH_2-κ-N)L_2]^+[Co(CO)_4]^-の生成を経て、進行していることが示唆された。 (2)η^1,η^2-アリル基を含む有機白金-パラジウムおよびコバルトヘテロ二核錯体の合成と反応 dppeを配位子とする0価の白金錯体とアリルパラジウム錯体やコバルト錯体との反応により、対応するアリル錯体を得た。これらの錯体の分子構造を、単結晶X線構造解析により明らかにした。その結果、この錯体(dppe)(η^1,η^2-RCH=CHCH_2)Pt-M'L_n(M'L_n=PdCp,Co(CO)_4)ではアリル基が白金にη^1、パラジウムにη^2結合することにより、金属結合間にη^1,η^2架橋配位した二核錯体であることを見出した。
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