研究課題
塩化イミドイルとホスファイト類のアルブゾフ反応が効率的に進行することを確認し、イミン部分とホスホナイト部分を有する配位子や、関連する一連の部分解離性配位子を合成した。また、ホスフイニルホスフィンオキシド等についても合成した。これらの配位子はHeck反応においてトリフェニルホスフィンと同等の性能を示した。Pd触媒を用いるホスフィンオキシドの末端アセチレンヘの付加反応においては、ホスフィニルホスフィンオキシドを用いると従来未知の脱水素ダブルホスフィニル化が高い選択性で進行することを見いだした。しかし、同反応について更に検討の結果、活性面ではトリアリールホスフィン配位子の方が優れていた。この過程で、部分解離しにくいdppe配位子を用いると、末端アセチレンに完全に分枝選択的加付加反応が進行することを見いだした。更に、反応位置の制御がこれまで困難であった水素化ホスフィン酸エステルの付加反応も分枝選択的に進行することも見いだした。これらの分枝選択的反応のメカニズムの考案から、α,ω-ジインの反応を検討したところ、付加反応はピロール環を含め5員環構造への環化を伴って進行し、新規な有機リン化合物が得られることを見いだした。更に、ヘテロ原子化合物の付加反応の研究をイオウ化合物に拡張し、ニッケル触媒によるアリルスルフィドのアルキンヘの付加反応を見いだした。本反応は、dppbのようなバイトアングルの大きな配位子で効率的に進行する。同様な検討を関連するセレン化合物に拡張し、同様な反応が進行することを認めた。
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ページ: 263-266
Chemical Communications (印刷中)
ページ: DOI:10.1039/B703165C
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