本領域研究では、均一系および不均一系触媒化学の協奏的融合による新たな協奏機能触媒化学を確立することをめざし、金属錯体を基本とする分子性触媒の研究者と分子・原子レベルで固体表面修飾や機能付与との相関、固体担体と触媒活性中心の解明を行っている固体触媒研究者に加えて、金属集積と協同機能を開拓する多金属触媒の研究者および生体触媒機能を人工触媒機能へ転写して実用触媒の開発をめざす生体模倣の触媒研究者を中心に研究推進してきた結果、期待以上の成果を挙げて修了することができた。 本特定領域研究(終了研究領域)では、本領域で得られた研究結果について自己評価するとともに、研究総括された結果について、平成23年1月11日に、一般向けに、終了研究公開シンポジウムを東京工業大学大岡山蔵前会館くらまえホールで開催した。本特定領域研究によって生まれた多くの成果を一般に広く公開するとともに、触媒と社会の関わりについて認識を深めるために、「私たちに役立つ触媒って何?」をテーマに公開シンポジウムを開催した。本特定領域研究から8名の若手の研究者が、研究成果に基づいて触媒の役割から将来の夢について一般聴衆にも理解しやすいように講演した。高校生10数名を含む140名の参加者にとって触媒の重要性を理解する好い機会になった。次いで成果内容を冊子の形にまとめた。
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