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2008 年度 実績報告書

均一系分子触媒による有機ホスフィンの新規合成法の開発とその新触媒創製への利用

研究課題

研究課題/領域番号 18065014
研究機関京都大学

研究代表者

大嶌 幸一郎  京都大学, 工学研究料, 教授 (00111922)

キーワードホスフィン / かさ高い配位子 / 交差カップリング反応 / 二座配位子
研究概要

今年度は、これまでに得られた配位子を用いて高効率遷移金属触媒反応の開発に取り組んだ。
ニッケルアセチルアセトナートならびに我々が独自に開発したホスフィン配位子存在下、ドデシルフェニルスルフィドに対して1.5当量のブチルグリニャール反応剤を作用させたところ、対応する交差カップリング体であるブチルベンゼンが88%の収率で得られた。また、同様の条件下、イソプロピルグリニャール反応剤やシクロヘキシルグリニャール反応剤のような第二級アルキルグリニャール反応剤も用いることができる。第二級アルキルグリニャール反応剤と有機硫黄化合物の交差カップリング反応では、中間に生じる第二級アルキルニッケル中間体がβ-水素脱離を起こしやすいため、高収率で目的のカップリング体を得ることは困難であった。我々は、ホスフィン配位子とシクロペンチルメチルエーテル溶媒を用いることで同反応が効率良く進行することを見いだした。
触媒量の酢酸パラジウムとジシクロヘキシル(2, 6-ジフェニルフェニル)ボスフィン存在下、p-ブロモアニソール、モルホリン、tert-プトキシナトリウムをトルエン中で5時間加熱還流したところ、収率良く対応するアニリン誘導体がえられた。一方、同様の条件下トリシクロヘキシルホスフィンを用いた場合には目的物は全く生成しない。このボスフィン配位子はパラジウム触媒を用いる1, 3-ジケトンの活性メチレンのアリール化反応においても優れた配位子であった。1, 3-ジケトンから生じるエノラートは極めて安定であり、パラジウム触媒によるアリール化を受けにくい。かさ高いホスフィン配位子を用いることで効率よく合成することが可能となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Nickel-Catalyzed Cross-Coupling Reactions of Alkyl Aryl Sulfides and Alkenyl Alkyl Sulfides with Alkyl Grignard Reagents by Using (Z)-3, 3-Dimethy1-1, 2bis(diphenylphosphino)but-l-ene as Ligand2008

    • 著者名/発表者名
      Kanemura, S. ; Kondoh, A. ; Yorimitsu, H. ; Oshima , K.
    • 雑誌名

      Synthesis

      ページ: 2659-2664

  • [雑誌論文] Synthesis of Bulky Arylphosphanes by Rhodium-Catalyzed Formal [2+2+2] Cycloaddition Reaction and Their Use as Ligands2008

    • 著者名/発表者名
      Kobatake, T. ; Kondoh, A. ; Yoshida, S. ; Yorimitsu, H. ; Oshima, K
    • 雑誌名

      Chem. Asian J. 2

      ページ: 1613-1619

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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