2008年度においては本研究課題の眼目である、水中で機能する不均一触媒の設計、調製、実施検討をさらに推進してきた。 2008年度は先年度に見いだした両親媒性ポリスチレンーポリエチレングリコール共重合高分子担持水中機能性不斉カップリング触媒によりSuzuki-Miyaura反応による軸不斉ビアリール化合物の触媒的不斉合成を精査し、その適用範囲、基質一般性を確立した。また類縁の高分子担持不斉触媒によるメソ型アリルジエステルの不斉非対称化を水中で実現し高度な立体選択性を達成した。 類縁種法により、芳香族ハライドのアミノ化触媒工程の水中実施にも成功している。 またナノ白金粒子を両親媒性高分子マトリクス内で発生させ得られる水中機能性ナノ触媒や高原子価パラジウム錯体を銅塩として自己担持型高分子錯体とした固定化触媒を利用し、アルコール類の酸素酸化反応について検討し高効率酸素酸化触媒工程を確立しつつある。
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