研究概要 |
本課題研究の最終年にあたる2009年度においては本研究課題の眼目である、水中で機能する不均一触媒の設計、調製、実施検討をさらに推進し、なかでも一連のパラジウム錯体触媒の高分子固定化と,同固定化触媒による水中触媒反応の中で大きな標的工程でありながらも未完成であった芳香ハライドのアミノ化反応を集中的に精査し,とくに電子材料の基本骨格として注目されるトリアリールアミン類の水中不均一での効率生成を実現した。本工程では固定化触媒が濾過によって簡便に除去でき、得られるトリアリールアミンに触媒由来の金属種が漏出混入しないことから、超高純度での供給を求められる電子材料、医薬原料の供給工程として大きな可能性を有している。 またナノ白金粒子を両親媒性高分子マトリクス内で発生させ得られる水中機能性ナノ触媒を利用したアルコール類の酸素酸化反応、高原子価パラジウム錯体を銅塩として自己担持型高分子錯体とした固定化触媒を利用したカップリング工程、などについて検討し高効率酸分子変換触媒工程を確立した。
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