レーザー場に置かれた分子の「電子と核の運動法則」を量子レベルで理論的に解明し、さらに、レーザー場中反応の現実的な設計・制御を行う。第一原理的な電子・核波束量子動力学理論を開発し、実験で観測されている強レーザー場中の分子ダイナミクスが関与する以下の現象を解明する。 (1)C_<60>などの大きな分子のフェムト秒近赤外光による解離とイオン化の制御シミュレーション (2)強レーザー場によって生成する励起状態とその超高速非断熱ダイナミクス 開発した電子・核動力学計算法と目的生成物の収率を最大にするレーザーパルス波形の設計理論を結びつけて、光反応制御の機構を解明する。さらに、反応制御理論と第一原理動力学法を組み合わせて、光反応制御の現実的な実験スキームを提案する。
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