研究課題/領域番号 |
18066003
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西林 仁昭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40282579)
|
研究分担者 |
坂田 健 星薬科大学, 薬学部, 講師 (90328922)
|
キーワード | ルテニウム / 理論計算 / プロパルギルアルコール / 複核錯体 / 硫黄架橋 / アレニリデン錯体 / 結合開裂 / 共役エンイン |
研究概要 |
研究代表者らのこれまでの研究成果を踏まえて、申請者らの研究グループが開発に成功した複核金属錯体を触媒として用いたカルベン錯体の一種であるアレニリデン錯体を鍵中間体とする新規触媒反応の開発を目的としている。研究期間内に、開発に成功した触媒反応の反応機構に関する実験化学的な知見を得ると共に、当特定領域の研究者との共同研究による理論研究から分子理論的検討を加えて詳細な反応機構や電子構造を明らかにすることに焦点を絞り研究を行う。さらに、本研究で得られた情報をフィードバックし、触媒をより精密に設計することで、より高度な分子変換反応開発につなげることを研究目的としている。 本年度は上記の研究目的に対して以下の検討を行った。さらに、昨年度に見出したシクロプロピル基をプロパルギル位に有するプロパルギルアルコールとアニリンとの炭素-炭素結合の開裂を伴う共役エンイン化合物の立体選択的新規触媒反応について適用範囲を精査すると共に、理論化学から分子論的検討を加えて反応機構に関する解明を行った。その結果、協奏的な反応経路で炭素-炭素結合の開裂が進行することが確認できた。この理論的な検討の結果得られた知見を基にして、プロパルギルアルコールとジエンとの反応の検討を行い、新規触媒反応が進行することを見出した。
|