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2008 年度 実績報告書

複核金属錯体による新規合成反応の開発と分子理論的検討

研究課題

研究課題/領域番号 18066003
研究機関東京大学

研究代表者

西林 仁昭  東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40282579)

キーワードルテニウム / 理論計算 / プロパルギルアルコール / 複核錯体 / 硫黄架橋 / アレニリデン錯体
研究概要

研究代表者らのこれまでの研究成果を踏まえて、申請者らの研究グループが開発に成功した複核金属錯体を触媒として用いたカルベン錯体の一種であるアレニリデン錯体を鍵中間体とする新規触媒反応の開発を目的としている。研究期間内に、開発に成功した触媒反応の反応機構に関する実験化学的な知見を得ると共に、当特定領域の研究者との共同研究による理論研究から分子理論的検討を加えて詳細な反応機構や電子構造を明らかにすることに焦点を絞り研究を行う。さらに、本研究で得られた情報をフィードバックし、触媒をより精密に設計することで、より高度な分子変換反応開発につなげることを研究目的としている。
本年度は上記の研究目的に対して以下の検討を行った。昨年度までの研究成果として、これまでに上記で述べた触媒的プロパルギル位置換反応の類似反応としてプロパルギルアルコールとオレフィン類のカップリング反応の開発に成功している。プロパルギルアルコールから系中で生成するアレニリデン錯体のβ, γ炭素-炭素二重結合間とオレフィンとの間でのアレニリデンーエン反応が進行し、炭素-炭素結合が新規に生成することで、1, 5-エンイン化合物が効率良くかつ高選択的に得られたと考えている。この新規触媒反応の反応機構を理論計算により検討したところ、当初推定していた協奏的にアレニリデンーエン反応が進行しているのではなく、段階的に炭素カチオン種の生成を伴い反応が進行していることを見出した。この理論計算によって明らかとなった反応機構の検討結果を踏まえて、反応中間体として生成すると推定される炭素カチオン種を適切なカチオン捕捉剤で押さえることができれば、オレフィン類の新しい官能基化反応開発に繋がるのではないかと考えた。実際に実験を行ったところ、予想通りオレフィン類の触媒的オキシプロパルギル化反応が進行することを見出した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Copper-Catalyzed Asymmetric Propargylic Substitution Reactions of Propargylic Acetates with Amines : A Novel Synthetic Approach to Chiral Propargylic Amines2008

    • 著者名/発表者名
      G. Hattori et.al.
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 47

      ページ: 3781-3783

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ruthenium-Catalyzed Vinylic Substitution Reactions with Nucleophiles via Butatrienylidene Intermediates2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Yamauchi et.al.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 130

      ページ: 2908-2909

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ruthenium-Catalyzed Dienyne Formation from Propargylic Alcohols and 1, 3-Conjugated Dienes2008

    • 著者名/発表者名
      M. Daini et.al.
    • 雑誌名

      Organometallics 27

      ページ: 2046-2051

    • 査読あり
  • [学会発表] 銅触媒によるエナンチオ選択的なプロパルギル位アミノ化反応2008

    • 著者名/発表者名
      服部岳
    • 学会等名
      第55回有機金属化学討論会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2008-09-28
  • [備考]

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nishiba/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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