• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

低次元系凝集系の揺らぎと化学反応

研究課題

研究課題/領域番号 18066011
研究機関岡山大学

研究代表者

田中 秀樹  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80197459)

研究分担者 甲賀 研一郎  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (10315020)
三島 修  物質材料研究機構, 物質研究所, 主席研究員 (10133141)
キーワード水 / 制約空間 / クラスレート / 水素
研究概要

本研究では、実験的に困難である占有率の圧力依存性の理諭的予測法を確立し、それを水素クラスレートに適用した。Grandcanonical Monte Carlo(GCMC)シミュレーションは、グランドカノニカル集団(温度T、体積V、化学ポテンシャルμが決定された、粒子の出入りがある開いた系)を扱ったシミュレーション法である。仮想的な、ゲスト分子の気体とクラスレート内のケージを占有するゲスト分子との平衡を考えると、ゲスト分子のケージ占有はケージを吸着点とみなすことで吸着現象として扱うことができる。このとき占有しているゲスト分子は、ゲスト流体と平衡にある学ポテンシャルμを持つグランドカノニカル集団としてみなす。一方、ホストの結晶格子をなす水分子は統計力学のモデル計算ではカノニカル集団(温度T、体積V、粒子数Nが決定された閉じた系)として扱うのが便利であるが、シミュレーションではホストである水に対しては(N、T、圧力P)一定のほうが現実的である、またゲストに対しては(μPT)一定とし、また水素の化学ポテンシャルμはPとTで規定される値に定める。このために、余分なガスなどを考慮することなく、クラスレートの体積の温度と圧力依存性が得られることになる。事前に決定した化学ポテンシャルを用いて、水素クラスレートの占有状態を明らかにするためのGCMCシミュレーションを行った。大ケージでは圧力に応じて水素分子の占有状態が大きく変化する。、高圧になるにつれてより多くの水素分子がケージに入っていき、600MPaでは大ケージの40%近くを最大4個の水素分子が占有するという結果が得られた。これに対して、小ケージは圧力をあげても占有状態はあまり変化せず、ほとんどのケージが単一の水素分子に占められるという結果となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Phase diagram of water in carbon nanotubes2008

    • 著者名/発表者名
      D. Takaiwa, I. Hatario, K. Koga,
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105

      ページ: 39 43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] structures of filled ice nanotubes inside carbon nanotubes2007

    • 著者名/発表者名
      D. Takaiwa, K. Koga, H. Tanaka
    • 雑誌名

      Mol. Simulat. 33

      ページ: 127 132

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On the thermodynamic stability of hydrogen clathrate hydrates2007

    • 著者名/発表者名
      K. Katsumasa, K. Koga, H. Tana
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys. 127,08490

      ページ: 1 9

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi