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2008 年度 実績報告書

低次元系凝集系の揺らぎと化学反応

研究課題

研究課題/領域番号 18066011
研究機関岡山大学

研究代表者

田中 秀樹  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80197459)

研究分担者 甲賀 研一郎  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (10315020)
キーワード水 / 氷 / プラスチック相
研究概要

水は広い温度圧力領域において数多くの結晶多形を有し、それは水分子の持つ水素結合能に深く依存していることは、その四面体構造から明白である。この構造、数10GPa以上のプロトン位置の対称化や高温高圧における超イオン伝導体となる領域、すなわちもはや水分子が実態として存在しない温度圧力範囲を除いて、維持されている。水分子は水素結合部位を除けば、基本的には球形分子であり、プラスチック相が出現することも当然期待される。現在までのところ実験的には発見されていないが、これは低圧においては四面体配置のために密度が低く、配向に関して異方性が極めて大きいためであると考えられる。2GPa、400K以上の高温高圧での氷VIIの融解曲線の測定は現在でも非常に困難であり、その値には大きなバラツキがある。また、これまでに自由エネルギー計算から推測された種々の氷VIIとVIIIの境界は極めて不自然であることから、これらについても併せて詳細な検討を要する。したがって、今回は高温高圧の氷VIIの融解について、主として分子動力学計算機シミュレーション(MD)と自由エネルギー計算により調べた。MDシミュレーションを種々の温度、圧力また分子間相互作用に対して行った。また、長距離分子間相互作用は、Ewaldの方法で計算もしくはスムーズにカットした。シミュレーションは氷VIIを初期構造として選び、圧力を固定し低温から開始して各温度において2-10ns継続した。これを10Kづつ昇温し手繰り返し、融解した後同様に降温した。分子間相互作用としては, TIP4P, TIP5P, SCP/Eを選び、何れに対しても長時間の計算を行った。また、分子数Nは432-3456とし、いずれの場合にもほぼ同様の結果を得た。最大圧力は12GPa、また温度は400-900Kの範囲した。圧力が20GPaを超えるとOH結合長に変化がみられるようになることが知られているが、今回はそれ以下であり、上記の剛体回転子モデルは正当化される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phase diagram of water in carbon nanotubes2008

    • 著者名/発表者名
      D. Takaiwa, I. Hatano, K. Koga, and H.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105

      ページ: 39-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mean-field density-functional model of a second-order wetting transition2008

    • 著者名/発表者名
      K. Koga and B. Widom
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys. 128

      ページ: 114716

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A plastic phase of water from computer simulation2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Takii, K. Koga, and H. Tanaka
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys. 128

      ページ: 204501

    • 査読あり
  • [学会発表] 極端条件下の水、氷、クラスレートの計算機シミュレーション2008

    • 著者名/発表者名
      田中秀樹
    • 学会等名
      第8回九州溶液化学懇談会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-08-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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