研究概要 |
多くの有機化学反応や生体内反応においては, 反応の進行に多くの因子が関与している。反応を予測あるいは制御し, さらにはその物質や生体高分子の機能を制御するためには, 活性中心にある分子に, そのまわりの因子がどのように関与しているのかについて明らかにする必要がある。本研究は, 有機化学反応や生体内反応の反応予測や反応制御をおこない, 物質や生体分子の機能制御をおこなうための方法論を確立することをめざしている。 溶質分子および反応に直接関与する溶媒分子を非経験的分子軌道法で取り扱い, その他の多くの溶媒分子を分子力場法で取り扱う計算法(QM/MM法)に, モンテカルロ(MC)法および分子動力学(MD)法計算を組み合わせる手法(QM/MM-MC法およびQM/MM-MD法)に基づくシミュレーションを発展させる。化学反応や酵素反応が進行する場を実在系として理論的に取扱う手法を開発することによって, 当該領域の推進に寄与する。
|