研究概要 |
高周期元素において相対論効果の取り込みが不可欠であることは今や十分認識されているが、それを理論化学計算で考慮するには膨大な計算量が必要であるため応用例は小さな系に限られている。我々はこれまで効率の高いスピン軌道相互作用を含むSCF, MCSCF, CI法を開発してきた。本研究では(1)さらに大規模な分子系に適用できる相対論的分子理論の開発、つまり、size-consistent なMR-ACPF法などを含む多体摂動論への展開、(2)また高周期元素系のダイナミックス理論の発展のためにエネルギー勾配法、スピンスピン相互作用項や非断熱結合要素など各種遷移行列要素の計算手法の開発を行い、(3)希土類イオンのf-f遷移強度、(4)分子の解離領域におけるポテンシャル曲面と非断熱遷移に関する定量的研究を目指す。
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