本研究では、従来発展してきた電子状態理論に対して、原子核の量子的な振る舞いを考慮したダイナミックスの新理論を構築することを目的とする。具体的には、(I)電子状態理論と分子動力学法を組み合わせた、非経験的分子動力学(AIMD)法の方法論的な発展、(II)核と電子の波動関数の同時決定が可能な、核・電子軌道(NOMO)理論の拡張を行う。また、これらの理論により従来取り扱うことが困難であった対象を研究することが可能になると期待される。そこで、(III) 実在系へ新たに開発した理論を適用し、数値検証および応用研究を行っていく。
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