研究課題/領域番号 |
18066017
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
永瀬 茂 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 教授 (30134901)
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研究分担者 |
大塚 勇起 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 助教 (70397587)
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キーワード | ナノサイズ分子 / 複合的電子系 / 機能化 / 量子化学計算 / 高速並列化 / 高周期元素 / ナノ空間 |
研究概要 |
【ナノサイズ分子の量子化学計算の高速化と高精度化】ナノ複合電子系で主題となる非共有結合相互作用を精度高く取り扱えて大きな分子にも適用できる2次のMoller-Plesset摂動(MP2)法の高速・高並列アルゴリズムを開発してきている。しかし、分子が大きくなると計算コストおよび必要なメモリ量とディスク量が急激に増大するので、ナノサイズの分子に実用的に適用できない。この問題を解消するために、RI(resolution of the identity)を用いたRI-MP2法の高速・並列アルゴリズムおよびプログラムを開発して超並列化を達成した。RI渋MP2法では計算に必要なメモリ量とディスク量はMP2法より格段に少ないので、標準的なPCクラスターでも相当に大きい複合電子系の大規模計算を実行できる。極めて高精度な計算には、電子配置をウォーカーに用いたプロジェクタモンテカルロ(CSF-PMC)法を考案して、比較的大きな分子でもfull-CI法に匹敵する計算を高速に行えるプログラムの作成を開始した。 【ナノ複合電子系の構造と機能】金属内包フラーレンの化学修飾による内包金属の運動制御、孤立5員環則を満足しない金属内包フラーレンの構造と反応性および化学修飾による機能化、実験で決定された内包金属の位置やNMRの検証、常磁性金属内包フラーレのラジカルカップリング反、化学修飾による金属性カーボンナノチューブの選択的分離、カーボンナノチューブへのカチオンやドナー分子の選択的吸着とサイズ効果、炭素およびBNナノグラフェンの端構造に由来する電子特性とバンドギャップ制御、(ZnO)_nクラスターのかご構造とチューブ構造等を理論計算で明らかにして実験と共同して解明した。
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