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2006 年度 実績報告書

量子揺らぎの最適制御による確率的情報処理と情報統計力学

研究課題

研究課題/領域番号 18079001
研究機関北海道大学

研究代表者

井上 純一  北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (30311658)

研究分担者 雑賀 洋平  和歌山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 助教授 (40280432)
キーワード統計力学 / 確率的情報処理 / 量子揺らぎ / 量子情報 / 量子モンテカルロ法 / スピングラス / 量子スピン系 / 情報統計力学
研究概要

今年度は本特定領域初年度であり,まず,研究代表者・分担者が定期的に議論の場を設け,今後4年間で取り組むべき具体的課題をピックアップし,また,その際の問題点を洗い出した.それら課題の中で,今年度は量子揺らぎを用いた情報処理の中でも,量子揺らぎを用いた組み合わせ最適解探索法である量子アニーリングにおいて,断熱発展の際に問題となる,基底状態と第1励起状態との間のエネルギーギャップを,1次元XY模型,2次元XXZ模型,平均場模型に対して計算し,その結果について議論した.その成果の一部は「量子揺らぎを用いた情報処理における確率モデルとその基底状態および低励起状態についての考察」,井上純一,雑賀洋平 科研費特定領域研究「情報統計力学の深化と展開」平成18年度研究成果発表会,2006年12月18日-20日,大手町サンケイプラザにて発表された.また,本特定領域の発足前年度から継続して行われていた,量子揺らぎを用いたソーラス符号の構成法とその性能評価に関しても成果が出揃い始めたので,今年度得られたエネルギーギャップの成果とあわせて投稿論文としてまとめる予定である.また,本研究課題では量子揺らぎを用いた情報処理についての知見を深める(Deepening)とともに,新たな情報処理の諸問題を開拓していく(Expanding)こともその目的とする.新しい問題の開拓として,印刷技術において用いられるデジタル・ハーフトーン処理,及び,逆デジタル・ハーフトーン処理を情報統計力学の方法を用いて定式化した.さらに,近年,統計力学を用いた目覚しい解析結果が出始めているCDMAマルチユーザ復調器に関し,そのMAP解の個数をスピングラスに対して開発されたTanaka-Edwardsの方法で計数することを試みた.これらの結果はいずれも国際学会等で発表され,次年度以降改良・修正を経て,学術論論文誌に投稿予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 印刷技術への統計力学的アプローチ2007

    • 著者名/発表者名
      雑賀洋平
    • 雑誌名

      情報物理学の数学的構造(京都大学数理解析研究所講究録) 1532

      ページ: 70-79

  • [雑誌論文] Analysis of a long-range random field quantum antiferromagnetic Ising model2006

    • 著者名/発表者名
      B.K.Chakrabarti, A.Das, J.Inoue
    • 雑誌名

      European Physical Journal B : Condensed Matter Physics 51

      ページ: 321-329

  • [雑誌論文] A solvable quantum antiferromagnet model2006

    • 著者名/発表者名
      B.K.Chakrabarti, J.Inoue
    • 雑誌名

      Indian Journal of Physics 80・6

      ページ: 609-620

  • [雑誌論文] EMアルゴリズムと統計力学2006

    • 著者名/発表者名
      井上純一
    • 雑誌名

      臨時別冊・数理科学,SGCライブラリ,確率的情報処理と統計力学-様々なアプローチとそのチュートリアル- 50

      ページ: 126-133

  • [図書] Econophysics and Sociophysics : Trends and Perspectives (Chapter18) (B. K. Chakrabarti, A. Chakrabarti and A.Chatterjee (Eds.))2006

    • 著者名/発表者名
      J.Inoue
    • 総ページ数
      622
    • 出版者
      Emergence of Memory in Networks of Non-Linear Units : From Neurons to Plant Cells

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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