研究概要 |
古典的な熱揺らぎを用いて様々な問題に対して成功を収めてきた確率的情報処理を,量子力学的な揺らぎを用いた枠組みで再構成することで情報統計力学の深化を図る.確率的情報処理で扱われていた誤り訂正符号,画像処理,CDMAマルチューザ復調器等に対し,適切な量子確率モデルで問題を表現することにより量子揺らぎに基づく確率推論法を定式化し,その性能を情報統計力学により解析評価する.さらに,これらの問題に留まらず,量子揺らぎの制御が問題解決に対して有効に機能するような新しい問題(対象)の開拓,それを解析評価するための情報統計力学(方法論)の整備も視野に入れ,量子ランダムスピン系への技術的フィードバックを行うことを目的とする.
|