• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

個別化医療の実現に向けた情報統計力学的理論構築及び手法開発

研究課題

研究課題/領域番号 18079012
研究機関早稲田大学

研究代表者

井上 真郷  早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70376953)

キーワードゲノム多様性 / ゲノム情報処理 / バイオインフォマティクス / 確率的情報処理 / 統計的推測 / ゲノムデータベース / 遺伝診断学
研究概要

昨年度に引き続き,一塩基多型(SNP)データよりhaplotypeを推定する問題を扱い,従来手法の適用限界を大幅に改善した.アルゴリズムの細部を詰め,現在フリーソフトとして公開している.また,英文論文を投稿中である.
今年度はhaplotype blockの区切り(組換hot spot)をSNPデータから推定する研究を主に行った.これは,連鎖不平衡(LD)指標とも呼ばれ古くから研究されているが,未だに複数の指標値を人間が総合的に判断するという主観的な方法が主流であり,問題となっている.この問題を突き詰めたところ,これは「独立性の検定」と極めて類似度の高い問題であり,更に,「独立性の検定」自体が計算量を削減するために様々な近似が導入されたバリエーションが多数存在する,学問的に整理されていない分野であることが分かった.具体的には,医学,生物分野で極めてよく用いられるカイ二乗検定は近似で歪められた検定であり,十分な計算機資源がある現在では使うべきでない検定であるとの結論に至った.
また,組換hot spot推定について,尤度比検定,相互情報量に基づく新たな指標を開発した.haplotype推定されたデータであれば,この手法は従来手法に比べて正しく組換hot spotを推定できた.しかしながら,本来はhaplotype推定されていないデータから推定を行わなければならないこと,また開発手法の厳密な妥当性が証明できていないこと,の二点が主要な問題として依然残っている.
これら以外に情報統計力学的な課題について,一次視覚野をGaborフィルタで摸し,一次視覚野の脳計測データから視覚画像を逆推定するという課題や,適応的自然勾配法を特異モデルにおいても使えるようにする手法の開発,低密度パリティ検査符号(LDPC)の可視化などの課題に取り組み,学会発表等を行った.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 一次視覚野情報からの画像再構築2008

    • 著者名/発表者名
      橋口友美, 井上真郷, 岡田真人
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 107(542)

      ページ: 55-60

  • [雑誌論文] LDPC decoding dynamics from a PCA viewpoint2007

    • 著者名/発表者名
      Shinpei Hara, Yuta Akira, Eisuke Ishii, Masato lnoue, Masato Okada
    • 雑誌名

      Interdisciplinary Information Sciences 13(1)

      ページ: 43-48

    • 査読あり
  • [学会発表] 一次視覚野情報からの画像再構築2008

    • 著者名/発表者名
      橋口友美, 井上真郷, 岡田真人
    • 学会等名
      電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-03-12
  • [学会発表] Dimension reduction using symmetrical structure-an example of the expectation-maximization (EM) algorithm for haplotype inference2008

    • 著者名/発表者名
      INOUE Masato
    • 学会等名
      Disordered systems group seminar at King's College London, London University (invited seminar)
    • 発表場所
      London
    • 年月日
      2008-03-05
  • [学会発表] 情報量に基づいた連鎖不平衡指標2007

    • 著者名/発表者名
      千明裕, 進藤裕之, 田中順治, 鎌谷直之, 井上真郷
    • 学会等名
      科研費特定領域研究「情報統計力学の深化と展開」平成19年度研究成果発表会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-12-19
  • [学会発表] haplotype推定における指数関数的計算量を削減するためのグルーピング前処理2007

    • 著者名/発表者名
      進藤裕之, 千明裕, 田中順治, 鎌谷直之, 井上真郷
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第52回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-09-14
  • [備考] 作成したフリーソフト

    • URL

      http://www.eb.waseda.ac.jp/m_inoue/downloads/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi