研究課題/領域番号 |
18080002
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
明連 広昭 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (20219827)
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研究分担者 |
田井野 徹 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助手 (40359592)
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キーワード | 単一磁束量子論理回路 / マイクロストリップ線路 / ストリップ線路 / 磁気シールド構造 / 電子ビーム描画 |
研究概要 |
高スループットの超伝導配線を実現するため、高誘電体薄膜を用いて2μm以下の線路幅の微細超伝導配線の提案を行った。現在試作可能なNEC Nb標準プロセスIIによって試作および動作評価を行っている単一磁束量子論理回路の断面構造において、回路本体を上部と下部の超伝導層とバイアス線との間に接地されたシールド壁に囲まれた磁気シールド構造の中におく。このように設計することにより、外部磁場印加に対して耐性の高い回路構成が可能であることを確認した。 また、微細超伝導配線を単一磁束量子論理回路と組み合わせて用いるために、上部・下部グランド層によるシールド構造の上部に微細超伝導配線層を積層する構造を提案した。この構造により、既存のSiO_2を誘電体層として用いる単一磁束量子論理回路部分に影響を与えることなく回路上部に高誘電率層を用いた微細な超伝導配線を形成することが可能となり、高い集積度を実現できる。 さらに、実験により上部グランド層にmoatを設けないでも回路が正常に動作する可能性を示唆した。上部グランド層にmoatを設ける必要がなければ超伝導配線を自由に回路上面に配置することが可能となり設計の自由度が増大する。 最後に、電子ビーム描画と高密度プラズマエッチング装置を用いてサブミクロン線幅の微細な超伝導線路が作製可能であることを確かめた。200nmの膜厚のNb薄膜に対して、およそ200nm厚の電子線レジストを用いた場合、レジスト端のアンダーカツト幅はおよそ150nm程度であった。アンダーカット幅を勘案してレジストパターンを設計することにより200〜500nm幅の微細超伝導伝送線路の作製が可能であると考えられる。
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