研究課題/領域番号 |
18080004
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
水柿 義直 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (30280887)
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研究分担者 |
守屋 雅隆 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (80282911)
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キーワード | 超伝導 / 集積回路 / インダクタンス / マイスナー効果 / 超伝導量子干渉素子 / FastHenry / ジョセブソン接合 |
研究概要 |
超伝導集積回路における多層導波路の設計技術の確立を目指し、本年度においては主として2つのグラウンド面に挟まれたストリップラインのインダクタンスについて取り組んだ。数値計算と実験の結果、2つのグラウンド面の間の超伝導接触を、どの位置、どの大きさにて施すかによって、ストリップラインのインダクタンスが大きく変化することが見出された。この結果については、9月にベルギーで開催された欧州超伝導応用会議にて発表し、論文が来年度中に出版される予定である。また昨年度までに、複数の接触点を設ける場合、その接触点間の方向とストリップラインの方向との関係でインダクタンスが変化することが見出されていたが、方向が同一の場合でも接触点の間隔によってインダクタンス値が変化することが明らかとなった。現在、その原因について考察しているところであるが、2つのグラウンド面の間での磁束量子化を仮定したモデルにより、半定量的にその効果を再現できることが分かっている。さらに考察を進め、来年度の国際会議等で発表する予定である。また、これまでの数値計算と実験によるインダクタンス値の抽出に加えて、解析的なインダクタンス導出法についても試みた。これまでに導出された解析式では、数値計算結果と数%以内の誤差で一致するインダダタンス値が得られており、今後は実験による検証を加えて、2つのグラウンド面に挟まれたストリップラインのインダクタンス解析式を確立することを目指す。
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