研究課題/領域番号 |
18080004
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
水柿 義直 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30280887)
|
研究分担者 |
守屋 雅隆 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (80282911)
小林 忠行 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00123969)
|
キーワード | 超伝導 / 集積回路 / インダクタンス / マイスナー効果 / 超伝導量子干渉素子 / ストリップライン / DA変換器 / 単一磁束量子 |
研究概要 |
本年度においては、前年度までに得た「数値計算による超伝導三次元構造導波路の物理パラメータ抽出技法」について対外的な発表に精力を注ぎ、査読付き論文の投稿・出版や各種国際会議・国内学会での口頭発表を行った。 さらに、超伝導集積回路に必須となる超伝導グラウンドプレーン内の電流分布に関する数値計算を行い、その結果を実験結果と比較したところ良い一致が得られた。そこで、超伝導グラウンドプレーン内の電流経路を制御する方法についていくつか検討し、従来から経験的に知られていた電流の注入点と排出点との距離依存性を定量的に評価した。左手系要素を組み込んだ回路については、その数値計算の過程において間接発振器動作が見出され、その特性に関して種々のパラメータ依存性を明らかにした。これらの結果については、現在投稿中もしくは投稿準備中である。 また、実際の単一磁束量子回路の設計にも取り組み、ディジタル-アナログ変換器への応用を目指した2つの基本回路要素の高機能化を行った。一つは、電圧増倍回路で使用される電圧増倍セルの増倍率向上であり、これまで1倍もしくは2倍の増倍率であったものを、4倍の増倍率を可能とする回路構成とパラメータを見出し、その動作を実証した。もう一つは、単一磁束量子パルス数を増倍する回路の増倍率の可変とする回路の考案であり、これまで固定だった増倍率を4段階に可変できる回路の動作を実証した。本研究で考案した回路方式には拡張性があり、1024段階の可変も可能である。これらの成果についても、現在投稿準備中である。 本年度は特定領域研究の最終年度であったが、この特定領域研究の全期間において、これに参加した他大学との技術的な交流および情報交換が活発に行われ、本研究課題でも多くの成果をあげることができた。
|