研究課題
本研究では、局在電磁波配線を利用したSFQ回路を実現する上で重要な課題であるSFQ論理ゲートの最適設計法について研究を行う。これによりSFQ論理ゲート間を超伝導伝送線路で直接配線するための基本技術を確立する。更に、開発した設計手法をベースとして、本領域研究グループで共同してSFQ論理ゲートの標準セルライブラリを形成し、設計資産の共有化を図る。研究の後半では、開発したセルライブラリを利用して信号処理回路の開発を行う。本年度では、まず、SFQ論理ゲートの新たなセルライブラリの構築を他大学と協力して行なうための設計指針の検討を行なった。従来セルの磁場シールド構造における電流リークの可能性を検討し、新たなセル構造を提案した。また、高速フーリエ演算を行なうためのバタフライ演算器の基本設計を行なうとともに、重要な回路要素であるビットシリアル乗算器の試作を行ない、30GHzでの動作実証を行なった。その他、局在電磁波集積回路の要素技術として以下の研究成果を得た。(1)バイアス電流を低減する技術として、カレントリサイクル法を研究し、異なるグランドプレイン間での局在電磁波の伝送に成功した。(2)微小な局在電磁波パルスを半導体デバイスで観測可能な電圧レベルに増幅するためのラッチングドライバの安定動作化の検討を行い、数値シミュレーションを用いた回路の最適化により、良好なバイアスマージンを得た。(3)高速な読み書きが可能なFirst-in first-outバッファを開発しその30GHzでの非同期読み書き動作を実証した。
すべて 2006
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Physica C 445-448
ページ: 1029-1033
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