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2009 年度 実績報告書

年縞の分析により年単位の環境史復元と稲作漁撈文明の興亡

研究課題

研究課題/領域番号 18100007
研究機関国際日本文化研究センター

研究代表者

安田 喜憲  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50093828)

研究分担者 笠谷 和比古  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90124198)
平尾 良光  別府大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40082812)
キーワード年縞 / 稲作漁撈 / モンスーン大変動 / カンボジア / プンスナイ遺跡 / 博物館 / ビーズ / 尖歯
研究概要

平成21年4月-平成22年3月の間、秋田県一目潟の年縞の分析を継続して実施した。その結果アジアモンスーンの過去2000年間の大変動を解明でき、稲作漁撈文明の興亡との関連を解明できる見通しがえられた。その結果は日本・スウエーデン科学者協会ワークショップで報告するとともに、単行本の分担執筆(安田、2009)として報告をおこない、国際誌Quaternary Internationalで現在印刷中(Yamada et al.2010)である。平成21年4月から平成22年3月の間、平成20年度に発掘調査した考古遺物の整理をシムリアップの整理室で実施した。出土した大量の土器の復元と編年作業の結果、あらたな土器編年を確立した。また出土した人骨の自然人類学的調査と、大量に出土したビーズ、ガラスの蛍光X線分析、青銅器の鉛同位対比分析を実施した(魯ほか、2009)。それらの結果は単行本の分担執筆として報告した(安田・宮塚2009)。平成22年1月にプンスナイ遺跡博物館がプンスナイ村にオープンし、これまでの研究成果を一般に公開した。平成21年12月から平成22年2月の間、プンスナイ遺跡の小学校の校庭を発掘調査した結果、32か所の墓跡が発見され、大量の青銅器や土器・ビーズなどとともに、門歯を尖らせた人骨3体が発見された。このことによりプンスナイ遺跡の文化がボルネオ島周辺の南太平洋の文化とも交流していることが明らかとなった。平成22年月にはプンスナイ遺跡から出土したビーズの中に、インド産のビーズがふくまれているかどうかの調査を実施した。その結果、インドのビーズの大半はカルネリアンとよばれる石で造ったビーズが大半であり、カンボジアのプンスナイ遺跡のようにガラス製のビーズが少ないことが明らかとなった。なおアンコールトムの環濠の分析結果はScienceに、バリ島のブラタン湖の分析結果はNatureに投稿したが、残念ながら採択されなかったので、国際誌AntiquityとHoloceneに投稿することにした。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] クメール文明の人と水2010

    • 著者名/発表者名
      安田喜憲・宮塚義人
    • 雑誌名

      『人と水』(秋道智彌ほか編著)(勉誠出版社)

      ページ: 199-228

  • [雑誌論文] Late Holocene monsoonal-climate change inferred from Lakes Ni-no-Megata and San-no-Megata, northeastern Japan2009

    • 著者名/発表者名
      Yamada, K., Kamite, M., Saito-Kato, M., Okuno, M., Shinozuka, Y., Yasuda, Y.
    • 雑誌名

      Quaternary International (In press)

      ページ: doi : 10.1016/j.quaint.2009.09.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Environmental destruction in northern regions accelerated by global Warming2009

    • 著者名/発表者名
      Yasuda, Y., Kitagawa, J., Yamada, K., Gotanda, K.
    • 雑誌名

      MONSOON Vol.8

      ページ: 1-3

  • [雑誌論文] 気候変動と現代文明:年縞と文明史2009

    • 著者名/発表者名
      安田喜憲
    • 雑誌名

      『地球環境史からの問い』(池谷和信編著)(岩波書店)

      ページ: 14-43

  • [雑誌論文] 東南アジア文明史を読み直す:長江文明の発見とプンスナイ遺跡の発掘2009

    • 著者名/発表者名
      安田喜憲・宮塚義人
    • 雑誌名

      『朝倉世界地理講座2 東南アジア』(安田喜憲・立川武蔵監修)(朝倉書店)

      ページ: 116-129

  • [学会発表] Environmental destruction in northern regions accelerated by global Warming2009

    • 著者名/発表者名
      Yasuda, Y., Kitagawa, J., Yamada K., Gotanda, K.
    • 学会等名
      First Workshop of the Japanese and Swedish Scientific association(JSSA)
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2009-08-26
  • [学会発表] カンボジア王国から出土した青銅製品に関する鉛同位体比2009

    • 著者名/発表者名
      魯(ノ)〓〓(ジヒョン)、山口将史、角川茂、平尾良光、宮塚義人、安田喜憲
    • 学会等名
      日本文化財科学会第26回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-07-11
  • [図書] 奪われる日本の森2010

    • 著者名/発表者名
      平野秀樹・安田喜憲
    • 総ページ数
      217
    • 出版者
      新潮社
  • [図書] 山は市場原理主義と闘っている2009

    • 著者名/発表者名
      安田喜憲
    • 総ページ数
      333
    • 出版者
      東洋経済新報社
  • [図書] 伝統文化とグローバリゼーション-京都からの発信2009

    • 著者名/発表者名
      笠谷和比古
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      NTT出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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