研究課題
本年度は、コア試料採取と試料の基本項目分析を行なった。昨年夏に行なわれた「みらい」の航海には原田、坂本、木元らが参加し、前半でオホーツク海4地点、十勝沖2地点、日本海北部1地点から、計18本のピストンコアを採取した。後半では、海氷状況が悪く、北極海に入る事が出来なかったので、予定を変更し、べーリング海北部の3地点で、計6本のコアを採取すると共に、カナダ側の大陸棚上で、表層堆積物の採取を行なった。採取されたコアの予察分析の結果、オホーツク海中部3地点で採取されたコアは、過去50万年程度を連続的にカバーする事が判明し、後氷期より温暖であった酸素同位体ステージ5eおよび11における気候、海洋環境の安定性に関する研究に適している。一方、オホーツク海南部1地点で採取されたコアは、堆積速度が速く、後氷期の海洋変動の高解像度解析に適していると考えられる。中層水深の深度トランセクトをなすべーリング海北部の3地点では、過去8万年前後をカバーする連続堆積物が採取された。予察分析結果では、最終氷期における北太平洋中層水の生成速度、流速の数千年スケールでの急激な変動を記録している可能性が示唆された。本年2月に行なわれた「かいよう」の航海には多田らが参加し、沖縄トラフ北部男女海盆の3地点において3本のピストンコアを採取した。コアは、夏季モンスーンの変動に伴う揚子江河川流出量の変動を過去2-3万年間に渡り、連続的に記録しているものと期待される。今回採取したコアや既存のコアを使った予察的分析、解析結果から、北太平洋中層水の生成速度や流速が、ダンスガードサイクルに連動して変化している可能性が示された。また、中層水の形成場も最終氷期には異なっていた可能性がある。一方、アジアモンスーンもダンスガードサイクルに連動している事が明らかにされており、両者のリンケージ解明が今後の課題である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (16件)
Palaeogeography, Palaeoclimatology, and Palaeoecoloty (In press)
Palaeogeography, Palaeoclimatology, and Palaeoecology (In press)
Geochemistry,Geophysics,Geosystems Q02Q04
ページ: doi:10.1029/2006GC001364
Palaeogeography,Palaeoclimatoloty,and palaeoecology (In press)
Radiocarbon (In press)
Palaeogeography,Palaeoclimatology,and Palaeoecology (In press)
Nuclear Instruments and Material Methods in Physical Research-B (In press)
Organic Geochemistry 37
ページ: 1074-1084
Geochemistry, Geophysics, Geosystems Q12Q02
ページ: doi:10.1029/2006GC001287
Global and Planetary Change 54
ページ: 239-250
Global and Planetary Change 53
ページ: 29-46
Geochim. Cosmochim. Acta 70
ページ: 2045-2062
Marine Micropaleontology 61
ページ: 196-208
Journal of Oceanography 62(5)
ページ: 639-648
ページ: 58-77