1.Tol2ベクターに、改変型酵母転写因子Gal4FF遺伝子およびIRESを組み込んだ遺伝子トラップコンストラクトを構築し、転移酵素mRNAとともに受精卵に微量注入することにより、ゼブラフィッシュゲノムにランダムに挿入させた。平成22年度にはGal4FFを細胞・組織・器官特異的に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを新たに100系統以上作製した。これらトランスジェニックゼブラフィッシュにおけるGal4FFの発現はGal4認識配列UASの下流にGFPを組み込んだトランスジェニックフィッシュとかけあわせることにより視覚化した。 2.UASの下流にタモキシフェンにより活性制御可能なCreを組み込んだトランスジェニックフィッシュ、およびloxP配列によりCre非存在下では発現しないボツリヌス毒素遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュを作製した。これらの系統を、神経特異的Gal4FF発現フィッシュと組み合わせることにより、タモキシフェン添加による条件的神経機能阻害が可能になった。 3.UASの下流にカルシウムインディケーター蛋白質GCaMPをコードする遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュと、脊髄の運動神経回路特異的にGal4を発現する系統をかけあわせて、運動神経回路の活動をイメージングした論文を出版した。 4.本研究により作製されたトランスジェニックフィッシュ系統を公開するためのデータベースzTrapを完成させた。
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