生命科学のフロンティアとして生体膜が注目されるようになって久しいが、その機能と構造の解明は、他の研究対象に比べて遅れている。生体膜中でのみ現れる膜結合分子の三次元構造、および分子間相互作用は生命現象を理解するうえで極めて重要であるが、構造生物学の発展を支えた方法論が生体膜に対しては有効ではない。この問題点を解決するためには、生体膜を二次元流体としてではなく、脂質分子を含む分子複合体として捉える必要がある。本研究では、以下の目的を設定した。 (1) 脂質二重膜中に形成される生理活性物質の分子複合体の構造 (2) 生体膜に形成される脂質マイクロドメイン構造における分子認識 (3) スフィンゴ脂質を特異的に認識するタンパク質と脂質の相互作用解明
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