本研究は、16-19世紀における伝統都市の歴史的特質を、巨大化を遂げた諸都市の分節的な社会=空間構造(分節構造)、とりわけその基底にある社会的結合の存立機制に注目し、伝統都市の分節構造に関する主要な史料群の把握・収集とその共有化をはかりながら、事例間の比較類型論的把握を格段に進展させようと試みるものである。 また、伝統都市に関する主要な基礎史料群を包括的に把握し、新出史料群の調査を行うことをめざす。特に、本研究では日本近世を中心に、フランス、イギリス、中国、アメリカ合衆国などについて、16-19 世紀以来の歴史的な系譜を持つ旧伝統都市を取り上げ、それぞれの社会=空間構造を明らかにする上での史料収集に努める。 さらに本研究計画を推進する中で、国際的な研究交流を促進し、伝統都市の比較類型把握に実践的に取り組み、シンポジウムやラウンドテーブル&ワークショップなどを通じて、研究者間のネットワークを構築することを試みる。
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