研究課題
本年度は研究の初年度であり、まず今後の5年の研究計画を決めることからとりかかった。日本における分担者が5月に最初の会議をもち、各自儀礼と刑罰に関しての研究テーマを話し合い、各時代におけるそれぞれの課題を決めた。それをふまえて、8月には、第二回の研究会をおこない、ここには中国の共同研究分担者3人が参加した。第三回目は、12月に開催、3回の研究会を通じて各自の問題意識、儀礼と刑罰に関する個別の視座が固まってきた。語彙関係、セミナー、出版、研究発表に関しては、冨谷と矢木は韓国忠北大学にて開催された国際学会「律令の研究」で発表し、また2007年、韓国東国大学における当該研究「儀礼と刑罰」のシンポジウムを決めた。これは、当該研究にかんする外国からの中間評価の役割をになう。語彙関係に関しては、漢の官制用語のこれまでなされてきた異なる英訳を集約して、一覧としてデータベース化し、それを比較検討する段階に入っている。今夏までには、官制用語の英訳の決定版を完成するとともに、官制の序列表(英語版)を発表したい。また唐の制度に関しては、儀礼と刑罰ナレッジベースの一環として、『六典』の全文を文字データ化し、マークアップを進めている。また、刑罰関係に関しては、『唐律疏議』の原文と英訳を全て電子化して、現在、英訳と原文を一条ずつ対応したデータを作成しつつあり、これは2007年度には、完成する見込みである。当該研究は、基盤研究A「東アジアにおける法と習慣」(2002〜2005)を継承発展するものであり、申請書にも2007年にその成果を発表し、当該研究の一ステップに置くことを述べた。成果は、『東アジアにおける死刑』という題の書物であり、これは成果刊行助成(学術図書)が認められ、2007年秋に出版できることとなろう。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)
中国古代法律文献研究(中国政法大学) 第三輯
ページ: 125-152
社会科学研究(東京大学社会科学研究所編) 第57巻3・4合併号
ページ: 117-136
哲学研究 582
ページ: 25-41
漢字文化研究年報 第一輯
ページ: 96-108
東方学報(京都) 79冊
ページ: 63-108
東アジア研究 46号
ページ: 3-24