研究概要 |
平成19年度の研究実績としては,研究代表者の浅子和美と研究分担者の宮川努,渡部敏明は,その他の研究協力者も集まる景気循環研究会の主要メンバーとして,日本経済の景気判断に関し理論・実証両面から総合的に分析を行った。具体的な研究の遂行は(A)景気循環に関する理論的研究,(B)日本経済のデータ分析,及び(C)景気指標の作成,の3つのサブグループに分かれそれぞれの分野で複数の小プロジェクトを同時進行させた。その主要な業績は、2007年7月刊行の浅子和美・宮川努(編)『日本経済の構造変化と景気循環』(東京大学出版会)、に収録された13篇の論文に結実されている。 以上とは別に、一橋大学経済制度研究センターの研究蓄積を前提とする研究面では,浅子和美と研究分担者の伊藤秀史が制度研究センター・スタッフや国内外の研究交流ネットワークを活用した共同研究相手と協同して複数の小プロジェクトを同時進行させた。この研究では、国民経済によって景気変動の状況が異なる実態を把握し、その主要な原因として経済・政治面での制度的要因が関与しているか否かを探るものである。さらに、日本経済のデータ分析を日本経済以外の国々に拡張する方向では,研究分担者の伊藤隆敏を中心としてアメリカやヨーロッパ諸国,東アジア諸国などの景気循環・経済成長の特徴をマクロ的視点から日本経済の特徴と対比する試みも進めた。為替変動と景気循環の関係,とりわけ為替予測や為替介入が景気安定に果たしてきた役割についての調査も行った。
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