研究分担者 |
中島 啓 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (00201666)
小野 薫 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (20204232)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (50223839)
齊藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
河野 明 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (00093237)
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研究概要 |
1.ラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーについての深谷Oh太田小野による著書で,残っていた8章と10章を執筆した.8章は半正のラグランジュ部分多様体について整数上でフレアーホモロジーを構成し,その例を計算し,さらに,単調ラグランジュ部分多様体で反正則写像の不動点になっているものに対する,アーノルドとギヴェンタールの予想を解決したものである.10章はラグランジュ部分多様体の手術によってフレアーホモロジーがどう振る舞うかを決定し,応用として,いくつかのフレアーホモロジーの計算例を与えたものである.証明には,直積型のエンドを持ち,ルジャンドル部分多様体が含まれているような状況で,ボットモース型の張り合わせ理論を行う必要がある. 2.内点をマークとポイントに持つ場合のフレアー理論の定式化(既に完成した部分の3章にあったもの)を代数的に明確化し,L無限大代数を用いて定式化し直した.これにより,String topologyを用いた別の定式化(深谷による)との関係がより見やすくなると同時に,ホモロジー代数との結びつきがより深まる.これは7章の追加として付け加えていて,校正中である. 3.Mの余椄束の完全ラグランジュ部分多様体を決定する問題について,Mもラグランジュ部分多様体も単連結かつスピンな場合には,完全ラグランジュ部分多様体は0切断とホモローグになりまた有理ホモトピー同値になることを証明した.これは深谷とSmith,Seidelの共同研究である.論文は投稿中である. 4.深谷Oh太田小野の著書の内容を公理的に定式化し,微分オペラッドという概念および微分オペラッドによってパラメトライズされる倉西対応という概念を定式化し,そのホモトピー圏を作り,そのホモトピー圏から種々の・・・無限代数のホモトピー圏への標準的な函手があるというかたちの定式化をつくった.これをA無限大構造の場合に正確に定式化した.(論文は投稿中).位相的場の理論の代数的位相幾何学との関係を明確にし,その統一的な構成を可能にすると思われる. 5.種数の高い境界付きリーマン面に対するフレアー理論の一般化の代数的な枠組みを明確化した.特に,巡回対称性を持つ有限次元A無限大代数の巡回コホモロジーの鎖複体が,対合的双リー代数の構造を持つこと.ドラームコホモロジーの場合に得られる対合的双リー代数がA無限大代数構造のホモロジーへの押し込め方によらないことを証明した.(論文は執筆中.)
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