研究分担者 |
中島 啓 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00201666)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
加藤 毅 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20273427)
上 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134443)
加藤 文元 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50294880)
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研究概要 |
ラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーの定義をもっとも一般の形で行う書物を小野太田Oh氏とともに完成した.これは1998年ぐらいからの10年がかりのプロジェクトであった.非線形方程式の解空間と,その仮想チェイン,それを用いた代数構造の構成と,そのホモトピー代数,など,今後の同様な構成のプロトタイプになると思われる. トーリック多様体のファイバー(であるラグランジュ部分多様体)のフレアーホモロジーが0にならないのがいつかを組織的に計算する方法を見いだし,フレアーホモロジーが0にならないファイバーの個数がベッチ数に等しいことを(始めはファノ多様体の場合に後には一般のトーリック多様体の場合に)証明した.これは堀・Vafaのミラー対称性の研究の第2ステップを数学的に実行していることにあたり,また,Giventalの研究とも関係が深い.新しい点は,スーパーポテンシャルが幾何学的に意味ある形(open-closed Gromov-Witten理論の母関数)として導入されている点,複素数体上ではなくノビコフ環上で理論が構成されている点である.(この結果シンプレクティック幾何学へ応用がある.)この理論はトーリック多様体の量子コホモロジーとスーパーポテンシャルの斉藤恭司理論のミラー対称性と捉えるべきで,現在その方向で進展中である. ラクランシュ部分多様体の手術とフレアーホモロジーの関係の研究を継続し,長い完全系列を構成した. フレアーホモロジーの巡回対称性を確立し,非アルキメデス的収束を証明した. 2次元球面の直積上のハミルトン微分同相群の普遍被覆群上に無限個の実数全体のなすアーベル群への擬準同型写像かあることを,小野薫・太田啓史・Y.-G.Oh氏との共同研究で見いだした.
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