研究課題/領域番号 |
18104002
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
三村 昌泰 明治大学, 理工学部, 教授 (50068128)
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研究分担者 |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
柳田 英二 東北大学, 理学研究科, 教授 (80174548)
俣野 博 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (40126165)
小林 亮 広島大学, 理学研究科, 教授 (60153657)
栄 伸一郎 九州大学, 数理学研究院, 教授 (30201362)
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キーワード | 反応拡散方程式 / 非線形非平衡現象 / 交差拡散 / 拡散誘導不安定性 / 空間非一様場の進行波解 / フロント / スポットの相互作用 / 最短経路探索問題 |
研究概要 |
反応拡散系の定性的理論を主に非線形非平衡現象の視点から考察した.以下に主な結果を列挙する. (1)交差拡散-競合系には多様な空間すみ分け平衡解が存在することが数値シミュレーションから確認されているが、その機構が実はTuringの拡散誘導不安定性であることを特異極限解析から示し、この系が非線形非平衡反応拡散系の一例となることがわかった. (2)拡散-走化性-増殖系に現れる多様で複雑な時空間パターンの出現理由を進行波解のプラナー安定性の性質から考察した. (3)非線形非平衡反応拡散系の例として3種反応拡散系やグレイ・スコットモデルを取り上げ、空間非一様場におけるパルス、スポット解の相互作用を力学系の視点から考察した. (4)population dymamicsに現れる拡散-増殖方程式に対して空間非一様場における平衡解の性質を主固有値の最小化問題から議論することに成功した. (5)境界がノコギリの歯上をした2次元帯状領域に現れる周期進行波の速度の形状依存性を均質化極限から考察した. (6)粘菌の迷路解きは既に知られているが、ここではそのモデル化に成功し、このモデル解析からカーナビゲーションやインターネット上での経路探索への応用が期待できる. (7)非線形非平衡反応拡散系に現れるフロント解やスポット解の相互作用の解析に,中心多様体理論が有効であることを示し,特に、双安定反応拡散系に対して、いくつかの新しい知見が得られた. 最後に、今回の課題の一つである、「若い人達の育成」に対しては、12月13日〜15日東工大において「非線形数理冬の学校「発展方程式系の解の挙動」-反応拡散方程式理論の最先端-を開催した,その内容は応用数理学会誌の学術会合報告で紹介されている.
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