研究分担者 |
国分 紀秀 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (50334248)
児玉 忠恭 大学共同利用機関法人自然科学研究機構, 国立天文台, 准教授 (80343101)
松下 恭子 東京理科大学, 理学部, 講師 (50366423)
中澤 知洋 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (50342621)
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研究概要 |
本研究の目的は,「銀河団プラズマ中を銀河が運動するさい,プラズマから磁気流体的な抵抗を受け,銀河は宇宙年齢の間に銀河団の中心めがけて落下し,解放されたエネルギーはプラズマ加熱や粒子加速に費やされる」という独創的な仮説を検証することである。2年度にあたる今年度は,以下のように豊富な成果を得た。 1.「すざく」による銀河団の観測を進めた結果,非熱的信号は予想より弱く,したがって電波放射ハローを心つ銀河団では,プラズマ中の磁場がこれまで考えられていたより強いことを発見した。他方で「すざく」によるいくつかの合体型銀河団では,異常に高温なプラズマ放射を,予期せず検出した。 3.「すざく」の観測により,銀河団プラズマ中の重元素の空間分布を詳細に測定した。またXMM_Newtonのデータおよび近赤外線のデータから,プラズマ中の重元素は,銀河に比べて空間的に大きく広がっていることを確認した。 4.「すばる」望遠鏡などの赤外線観測により,宇宙論的な遠方(z=2-3)の原始銀河団を調べ,銀河団中の大質量銀河がこの時期に急速に形成されている証拠を得た。 5.「すざく」を用いて,類似した系として銀河中心付近を観測し,星間空間で粒子加速が起きている徴候を掴んだ。
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