研究概要 |
今年度は以下のような研究をおこなった。 (1) アレンデ隕石について、化学処理を行った酸残滴試料についてラマン分光測定を行ったが,さまざまなラマン分光のパラメーター値が測定の際のレーザーの励起エネルギーに関係することがわかった。その結果をまとめて論文を投稿した。また、この化学処理したQを含む酸残滴について、さらに酸化処理をおこない、希ガス分析、ラマン分光、電顕観察を行っていたが、こちらも論文を投稿した。しかし、採択されずに戻って来たので、再度書き直しを行っている。 (2) 普通コンドライトのサラトフ隕石(L4)については、希ガス、ラマン分光測定が終了し、論文を投稿していたが、レビューが終わり、何回かの改訂の後、最終的に受理された。この隕石については、さらに酸化処理をするとともに、希ガス濃度、ラマン分光測定などを行った。 (3) C1コンドライトであるオルゲイユ隕石についてのピリジン処理に関して、フランスのグループとドイツのグループが異なった結果を報告している。これについて、オルゲイユ隕石にフランスグループと同様の実験を行い、追試を行った。その結果、希ガス含有量がピリジン処理によって、たしかに元素存在度が減少することを確認した。また、アレンデ隕石について同様の処理を行い、アレンデ隕石ではピリジン処理の影響がないことを確認した。これらの結果についても論文を投稿した。現在最初のレビューが修了し、改訂を要求されている段階である。 (4) ラマン分光におけるグラファイトのDバンドについては、その解釈についてよくわからないところがあったが、炭素12と13の単一同位体のグラファイトについてラマン測定を行った。これについては論文を投稿中であったが、受理されなかった。現在、書き直し中である。
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