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2009 年度 実績報告書

金属クラスターの反応化学

研究課題

研究課題/領域番号 18105002
研究機関東京工業大学

研究代表者

鈴木 寛治  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30106629)

キーワード混合金属クラスター / 異種金属クラスター / 異種金属効果 / 平行四辺形型クラスター / 混合配位子クラスター / ベンザイン錯体 / アルキルベンゼン
研究概要

本申請研究は合成化学の分野を飛躍的に発展させるために、従来の「単核錯体の反応化学」を超越する新分野の開拓を目指して進められたもので、21年度には以下の成果をあげることができた。
本研究の基礎を成す新規なクラスター反応場の構築とその評価に関しては、異なる種類の金属から構成されるクラスター反応場の構築に成功し、その立体・電子的異方性を評価するとともに、基質との反応を検討し反応場の特長を明らかにした。異種金属の組み合わせとしてはRuとIr、RuとOs、IrとZrの3種類について検討した。特に同族のRuとOsを含む系に関しては、その構造と反応性に関して顕著な異種金属効果が観察された。また二つのRu(μ-H)_4Ruユニットを架橋型ビス(シクロペンタジエン)配位子で連結することにより、先例のない平行四辺形型反応場を構築することに成功した。また、電子的性質の異なる支持配位子を同一分子内に持つ、いわゆる混合配位子型ポリヒドリドの合成を達成した。π受容性を持たない1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナンとペンタメチルシクロペンタジエンを組み合わせたもので、大きな電子的異方性が期待されるものである。
一方、クラスターに特徴的な反応の開発と機構の解明については以下の成果を挙げることができた。Ruの三核反応場でベンゼンのC-H結合を切断しベンザイン中間体を発生させるとともに、アルカン由来の炭化水素配位子との間に炭素-炭素結合を形成させ、さらに加圧水素と反応させることによりアルキルベンゼンを得ることに成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Arylation of a Hydrocarbyl Ligand Formed from n-Alkane via C-H Bond Activation of Benzene using a Triruthenium Cluster2009

    • 著者名/発表者名
      守谷誠、田原淳士、高尾俊郎、鈴木寛治
    • 雑誌名

      Eur.J.Inorg.Chem.

      ページ: 3393-3397

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 三核ルテニウムクラスター上での炭化水素配位子の骨格転位2009

    • 著者名/発表者名
      高尾俊郎, 鈴木寛治
    • 雑誌名

      有機化学合成協会誌 67

      ページ: 475-485

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis and Structure of a Novel Ruthenium Hydrido Bis(dihydrogen)Complex with 1,4,7-Trimethyl-1,4,7-triazacyclononae Ligand : A Useful Precursor for Synthesis of Heterometallic Complexes2009

    • 著者名/発表者名
      島隆則、名村響、亀尾肇、鈴木寛治
    • 雑誌名

      Organometallics 29

      ページ: 337-346

    • 査読あり
  • [学会発表] 遷移金属クラスター反応場の構築とクラスター反応の開発(特別講演)2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木寛治
    • 学会等名
      第104回 触媒討論会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2009-09-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.apc.titech.ac.jp/~hsuzuki/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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