研究課題
歯・骨の再生医療用の新規材料として、カルシウム結合性、細胞接着性、生分解性等の向上を目的とした各種遺伝子組換え絹を創出するために、以下の開発研究を行った。1.カルシウム結合部位、細胞接着部位等を導入した高機能性絹を大腸菌で生産した。TS[TGRGDSPA(GVPGV)_2GG(GAGAGS)_3]_8,[(AG)_3D(GA)_3S]_8,TS[((AGSGAG)_3AS)_2(EYDY-DDDSDDDDEWD)AS]_4,TS[(AGSGAG)_4EE-EEEEEE]_4,TS[(TGRGDSPAS)],TS[(GERGDLGPQGIAGQRGVVGERGERGAS)8GPPGPCCGG]である。試料の精製のために、AKTA explore 10Sを購入、精製条件を確立した。2.本試料について、固体NMR構造解析を含むキャラクタリゼーションを行った。3.絹に細胞接着性タンパク質を混合させたフィルムまたは不織布は、細胞接着特性がかなり向上することがわかった。その際、不織布を多量に生産できるようにエレクトロスピニング装置を購入した。4.絹ならびにカルシュウム結合部位を導入した絹フィルムを培養シャーレに装着、骨芽細胞の培養を行った。骨芽細胞マーカーのアルカリフォスファターゼと石灰化の検出のためのアリザリン染色を行った。シート上で骨芽細胞が安定して培養され、また、石灰化が十分になされたことが分かった。5.絹に細胞接着性タンパク質を混合させた試料を、フィルム、再生繊維、スポンジ状とし、マウス背部の皮下に移植した。現在、経日的に摘出して生体適合性と分解性ならびに安全性を調べる実験を行っている。これらの成果は、関連学会で発表するとともに、国際関連誌に投稿予定である。また、平成19年5月本学繊維博物館で再生医療を担うシルクと題して、本研究内容に関する特別展を主催する予定である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (14件) 図書 (5件)
POLYMER (in press)
Polymer J (in press)
Biomacromolecules 8
ページ: 175-181
高分子論文集 63
ページ: 707-719
J.Am.Chem.Soc. 128
ページ: 6231-6238
Biomacromolecules 7
ページ: 1996-2002
ページ: 627-634
Key Engineering Materials 309
ページ: 1169-1172
ページ: 1210-1214
ページ: 2512-2521
Chemistry Letters 35
ページ: 426-427
Macromolecules 39
ページ: 6-8
ページ: 18-23
J.Appl.Polym.Sci. 99
ページ: 2822-2830