研究課題
I.歯・骨の再生医療材料に適した新しい高機能化絹の分子設計と生産絹中の機能部の含量の増加させた高機能化絹を追加作製した。異なる染色体上に遺伝子を持つカイコの系統を交配し、遺伝子のコピー数を増加させ達成した。また、物性を制御した高機能化絹を作製するため、RGD含有高機能化絹について、RGD部位両隣の絹連鎖部分のアラニンとグリシンの組み合わせを変化させた絹様タンパク質の発現コンストラクトを作製した。II.歯・骨の素材として用いるための高機能化絹のスポンジおよび不織布への加工分解性のより一層制御をれた高機能化絹のスポンジならびに不織布の作製を行った。スポンジについては、孔径および材料の配合を検討した結果、塩化カルシウムの添加により分解性が向上することを見出した。不織布はこれらのスポンジよりさらに高い分解性を示した。III.骨芽細胞培養系を用いた絹足場材料のin vitro評価絹スポンジを足場材料とした3次元培養系における培養条件の検検討をおこなった。DNAマイクロアレイ法による網羅的な遺伝子発現の評価を行い、絹材料上で培養した細胞の分化の様子を観測した。IV.マウス等を用いた絹足場材料のin vivoでの評価動物を用いたin vivo実験により、絹スポンジ等の骨欠損移植材としての適合性を評価した。移植する部位の骨欠損の大きさにより、大腿骨の大きな欠損と小さな欠損について、いずれの材料が適合するかを評価した。これにより、歯槽骨をターゲットとした移植材の最適化への評価系を確立し、歯槽骨に最適な絹移植材料を選定する上で必要な知見を得るための基盤が整った。
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