研究概要 |
本研究では,詳細化学反応機構を考慮に入れたグリッド・コンピュータによる超大規模直接数値計算(DNS),高解像度時系列粒子画像速度計(PIV)とOHラジカル及びCHラジカルの高時間分解能平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)等を組み合わせた高解像複合光学計測を用いて燃料液滴の蒸発・混合及び燃焼過程,不均一燃料濃度及び不均一温度分布を有する予混合気の自着火及び火炎伝播機構等の実用的な燃焼器の高効率化と低環境負荷化に重要となる成層・混相乱流燃焼機構を明らかにし,それらに基づく高度乱流燃焼制御技術を確立することを目的としている.平成18年度は,不均一燃料濃度を有する予混合気の自着火・火炎伝播機構と乱流中での液滴分散・蒸発及び混合過程の解明に重点を置いて研究を行った.数値的研究では,乱流中での不均一予混合気の自着火・火炎伝播と乱流中での燃料液滴分散・蒸発及び混合過程の大規模グリッドDNSを行った.乱流中での自着火・火炎伝播のDNSから,水素を燃料とした場合,大きな分子拡散係数のため,空間的な当量比変動が予混合火炎の自着火と火炎伝播機構に与える影響は極めて小さいことを明らかにした.また,着火遅れ時間は,乱流運動による歪み速度の大きさと強い相関があることを明らかにした.乱流中での液滴分散・蒸発及び混合過程のDNSから,乱流のコヒーレント微細渦が液滴分散及び微細スケールにおける蒸発化学種分布を支配していることを明らかにした.実験的研究では,局所的な火炎要素の伝播速度と乱流構造を明らかにするために,従来の研究で開発したダブルパルスCHPLIF計測法と高解像度ステレオPIV法を組み合わせて火炎伝播速度と速度三成分の同時計測法を確立した.
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