研究課題
開発を続けている地中レーダ(GPR)と金属探知機を組み合わせた地雷検知センサALISを人道的地雷検知・除去作業に実用的に利用するため、本年度は体系的な評価試験を実施した。1、2009年4月よりカンボジア地雷除去センター(CMAC)との共同で、カンボジア北部の実地雷原において、ALIS2台を利用した実証テストを開始した。4人のALIS操作者を含む6人のチームを編成し、実地雷検知作業を継続して行った。このとき、金属探知機で検知した地点をすべてレーダで計測し、そのデータをPC上に記録した。画像処理を行った上で、操作者は地雷/非地雷の判定を行い、その後、一つずつ掘り出して検証を行った。この結果、8月初旬までの作業により30個の実地雷検知に成功した。また見落としは0個であり、従来の金属探知機と同等の性能を維持しながら地雷/非地雷の判別ができることから作業効率の向上に繋がることを実証できた。2、北欧地雷フォーラムが企画したDeFuse計画にALIS2台が参加した。DeFuseは、複数のセンサを地雷検知に利用することで検知確率を向上させることができることを実証するため、1000個の地雷をデンマークのテストサイトに敷設し、検知する実験を行った。クロアチア地雷除去センター(CROMAC)隊員2名に作業にあたっていただき、データ収集を行った。本データは現在デンマーク工科大学グループが解析中である。3、国際機関ITEPが企画し、ドイツで実施した地雷検知センサ評価試験に参加した。本試験にはCMAC隊員5名が参加した。現在ライプニッツ研究所などで解析中である。一方、次世代型の地雷検知レーダとして、光電界センサを利用したバイスタティック型レーダを用いたシステムについて、ブリュスター角を利用して地表面反射を抑圧するなど、主としてソフトウエアの改良を行った。
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EURASIP Journal on Advances in Signal Processing
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