研究分担者 |
黒木 幸令 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (40234596)
林 健司 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (50202263)
中司 賢一 九州工業大学, 工学部, 准教授 (50237252)
羽原 正秋 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 特任准教授 (70372745)
野田 和俊 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究主任研究員 (60357746)
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研究概要 |
外部刺激として化学物質に由来する味と匂いについて,対象分子と人工受容膜とのナノレベルでの相互作用の検出を目的とした感性バイオセンサの研究を行った.味覚に関しては,膜電位計測型センサとして,フェノール性化合物を表面修飾物質として用いることで,甘味物質の味情報を膜電位変化として取り出す修飾型脂質膜の開発を行った. また,味覚センサのシステムLSIによる小型化を実現するための要素回路を0.35μmCMOSプロセスで設計し,試作した.要素回路は,味覚センサからの信号を増幅するための低雑音特性を示すチョッパスタビライズドアンプと,スイッチトキャパシタ回路技術による60Hzの電灯線雑音低減のためのノッチフィルタとADコンバータ用アンチエイリアスフィルタとしてのロウパスフィルタを完全差動回路として設計した.さらに,ディスポーサブル味覚センサの開発を行うため高周波マグネトロン三層スパッタリング装置を購入,設置し,最適化を行い,プラスティック基板への金属スパッタリングを行う環境を整えた.味覚センサの小型化に関しては,電解質層の導入を検討し,作用電極を多層構造化することで,作用電極の安定性,再現性の向上に成功した. 嗅覚に関しては,匂い分子情報を匂いコードに変換する匂いセンサでは多チャンネルのマルチチャネルセンサを作製し,匂い分子の特徴を連続的に捉え,適切なセンサチャネルを設計するためのシステムを設計した.また.水晶振動子を利用した感性バイオ(匂いセンサ)の開発では.悪臭.異臭物質を中心に検討を行い.分子量が小さく代表的な悪臭物質としてアンモニアガスを,水晶振動子の電極金属と直接化学反応させ数ppm程度を検知する新たな手法を開発した.また,選択性に関しては,一般的な他ガスの影響を受けないことを明らかにした.さらに,測定系に影響を与える湿度の影響をほとんど受けない参照電極も合わせて考案した.
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