ATP合成酵素は、膜電位と無機リン酸が存在すると、ADP阻害から回復する。そのときにεサブユニットのC-末端側のヘリックスの構造変化が重要な役割を果たしていることがわかった。また、ATPが結合したεサブユニットの立体構造を決めることが出来た。ATPがないと、C-末端側のヘリックスは固定されないでふらふらしていることもわかった。 ひとつのβサブユニットだけを低活性としたF1を作製して、その回転挙動をみた。すると0度でそのひとつのβサブユニットに結合したATPは、それから200度回転したところで加水分解されることがわかった。320度のところで、もうひとつのイベントがおきる。こうして3つのβサブユニットが協調するようすが1分子で観測された。
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