研究課題
脊椎動物の体に見られる反復的な構造を生み出す分子メカニズムを解明することを目的に、体節形成に異常を呈するゼブラフィッシュ突然変異体の解析を進めた。すでに樹立している4系統について、その原因遺伝子の同定をポジショナルクローニング法により試みた。その結果、1系統はPaf1複合体を構成する転写因子Rtf1をコードすることが、また別の系統ではNa-K ATPaseをコードすることが判明した。一方、もう1系統はすでにわれわれが体節境界の形成に関わることを示しているIntegrin α5をコードすることが明らかになった。上記2系統についてはその表現型解析を進めている。なお、未だ原因遺伝子が明らかになっていない1系統については引き続き原因遺伝子の同定を試みている。一方、体節の分節化を制御する因子として我々がすでに同定したRipply1については、結合因子の探索を行い、候補タンパク質を1つ見いだすことができた。そこで、その因子とRipplyが標的遺伝子の転写制御に関わるしくみについて解析を進めた。さらに、Ripply1ならびにRipply3遺伝子のノックアウトマウスの作成を試みた。各々の遺伝子についてtargeting vectorを作製し、それをES細胞に導入して当該遺伝子がtargeting vectorの配列に組み換えられたクローンを選択した。さらに、それらES細胞クローンをマウスの胚盤胞へと注入してキメラマウスを作製した。Ripply3については、さらにそれらマウスを野生型マウスと交配して組み換えられた遺伝子座を受け継いだ子孫(F1世代)を得ることができたが、少なくともヘテロ変異体においては形態的な異常は観察されていない。なお、Ripply2のノックアウトはすでに他のグループより論文発表されたことから、独自に作成することは取りやめ、共同研究をすることにした。
すべて 2006
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